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小谷石仏(よばりこき地蔵) の逸話

 前回、橋に使われていた石棺仏繋がりで、小谷石仏を御紹介。観光地の北条石仏(これとかコレね)を見に行ったら、近いですので、ぜひ見て欲しい加西市の石棺仏です。

小谷石仏
 全長170cm、幅110cmの大型の家型石棺の蓋に中央に阿弥陀様と、周りに6体の地蔵様が彫られています。
 この石棺仏には銘があり、康永4年(1345年)鎌倉時代のものです。摩滅して細かくは解りませんが、鎌倉時代の石棺仏は、彫りが細かく丁寧なのが特徴です。
 よーく見ると、左下の地蔵様が、少々、赤みがかっているのは、おそらく彩色跡ではないでしょうか?石棺仏は彩色されていたこともありました。いや、昔はほとんど彩色されていたのかもしれません…。

 少なくとも、昭和の後期まではこの石仏は「よばりこき地蔵」と呼ばれていました。「よばり」とは、夜尿症やよだれのこと。夜尿症、よだれ封じに御利益があるとして、当時は遠方からのお参りの人も多かったとか。
 さすがに、このネーミングがカッチョワルイかは知りませんが、この頃の史料では、「小谷石仏」と書いてあります。そもそも、メインは地蔵ではなく阿弥陀様で、地元の人が古くから阿弥陀様を、地蔵様と呼んでしまっていたわけですが…。

 この石棺仏には、逸話があり、その昔、牛が橋を渡ろうとすると、どうしても動かなくなってしまい、調べてみると、橋がこの「よばりこき地蔵」だったというお話です。

 このお話と全く同じ逸話をもつのが、姫路の細川地蔵です。

 この石仏は、『笑とる仏』のデザイン編集時に発見してしまい、間に合わず、本編に入れられませんでした…。スミマセン。笑。
 盃状穴という非常に珍しい穴のある地蔵さまで、私は実物を見たことがないので、なんとも言えませんが、石棺石材である可能性もありますね。
 盃状穴って、取材中は知らず、意識していませんでしたが、ひょっとすると『笑とる仏』の中にもよーく見ると盃状穴のある石棺仏があるのかも知れませんね。

 この橋と牛の話は、珍しい霊験譚として、人口に膾炙されたものでしょう。こんな共通点を発見すると、プチ柳田國男さん気分になれますネ。ちなみに柳田國男さんも播磨出身なんですよ。

 もう一つ、この小谷石仏の興味深いところは、石棺上部左右に、キレイに湾曲にえぐれている点です。
 これは、なんと昔の農民が、農作業の鎌を研いだ痕らしいです!笑。

 田の橋に使われていたり、鎌を研いだり、この阿弥陀様は農作業を手伝いすぎですね。笑。 約650年の間に結構、ぞんざいに扱われていた時代もあったのでしょう。

 この「よばりこき地蔵」の隣にも小さな、阿弥陀の石棺仏があります。この阿弥陀の膝にははっきりと、朱が残っており、彩色されていたことが解ります。

 こんなお堂で丁寧にお祀りしてあります。小谷石仏
小谷石仏

小谷石仏には、一遍のこんな言葉を添えました。

●『称うれば仏も吾もなかりけり 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏』 

以前にも書きましたが、キリストやアラーが私であるとは、決して言いませんよね。仏教は(特に真宗は)、「仏も吾もなかりけり」がいいですね!
 小谷石仏には、「称うれば、橋も砥石もなかりけり」ですが。笑。でも、きっと阿弥陀さまもそれで良かったのでしょう。

 一遍は、「捨ててこそ」の姿勢や、踊り念仏で有名ですが、以前、兵庫大学の釈徹宗先生の講義で、先生が『一遍上人絵伝』の事について言及されており、長身で強いカリスマ性を持つ一遍ですが、「踊りの最中は、いつも一遍の表情だけが暗い…」と指摘していたことを妙によく覚えています。何を思い、あるいは何を憂い、踊っていたのでしょうね…。

 ちなみに、一遍は教信を慕っており、教信寺に向かう途中、神戸の真光寺で亡くなりました。
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写真集
笑とる仏
『笑とる仏ー播磨の石棺仏を中心にー』   谷村新司さん推薦!    播磨の珍しい石棺仏を中心に、素朴な笑顔の石仏の写真集。700年近くもやさしく微笑み続けている石仏達を、さまざまな仏教名言と共に紹介する。この深い笑みはきっと心に響くと思います。巻末には地図もありますので、実際、仏様に会いに行くこともできます。勿論、関西限定書ではなく全国に通じる心の本です。 実質、私の4冊目の写真集。(読み:ワロトルホトケ)
Talking with Angels-ロンドンの天使達
「Talking with Angels-ロンドンの天使達-」 
鏡リュウジ氏の推薦文より
『天使、天使、天使!
この世界は、耳をすませれば天使の羽音に満ち満ちていて、うるさいくらい。たとえ一人でいたって、僕たちは孤独になんかなれっこないのです。この写真集はそのことを伝えてくれます。』 
 

Talking with Angels-イタリアの天使達
「Talking with Angels-イタリアの天使達」
   イタリア19世紀のみごとな墓地彫刻の写真集。
ダンテの『神曲』にならい「地獄」「煉獄」「天国」を彫刻を介し視覚で巡ることができる、美しい天使の本。
プロフィール

岩谷薫

Author:岩谷薫
カメラマン
1995 個展『身体感覚』
1998 個展『Angels of Brompton-祈りのすがた』
2005 写真集『Talking with Angelsーロンドンの天使達ー』
2006 写真集『Talking with Angelsーイタリアの天使達ー』
2008年 スピリチュアル雑誌『Sundari 』記事執筆
『yaso ヴィクトリアン』studio parabolica記事執筆
2009 デジタル印刷すらできない悪質出版社に捕まり、三冊目の天使の写真集が出版不能に。入校データまで全て完成している状態ですので、もし第三集の出版を御検討していただける出版社がございましたら、メールフォームからお気軽にメールしてみてください。第三集は最高傑作なのですが…。
2011 写真集『笑とる仏』実質、4作目の写真集。

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