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セイメイさん or センメイさんか? 加古川市の石棺仏

セイメイさん_1
 前回からの陰陽師繋がりで、今回はセイメイさんか、センメイさんにご登場!

 『笑とる仏』を書いた頃は、この仏の表記を「セイメンさん」としていました。  全長149cmの石棺仏。
 元々、「セイメイさん」か「セイメンさん」か、どの史料にも表記が一定していないのですが、私が読んだ史料には、江戸時代に盛んだった庚申信仰の御本尊、青面金剛の影響だろうと書いてあり、なるほどなーと思ったものです。
 ちなみに、この石仏は像容から青面金剛ではなく、どーみても地蔵菩薩なのですが、造仏年代が、江戸時代の作品である可能性が非常に高いということも、庚申信仰と繋がるのかとも思いました。

 切羽詰まった救いを求める民衆にとって、像容がどうであるかなんて、あんまり問題ではなかったのでは…それよりも、すぐ頼れる、拝める存在が大事だったのでは…とか思うのですが……


 が、しかし、前回、前々回の記事のように、播磨陰陽師集団の知識が増えるにつけ、やはりこの石仏は「セイメイさん」なのかなー???と思う自分もいます。

 『笑とる仏』を創っている頃は、芦屋道満のルーツは知っていましたが、「いくらなんでも遠く離れた京都の安倍晴明と、田舎の播磨じゃ、ほとんど関係ネーでしょ!」と思っていましたが、 調べていく内に、結構、安倍晴明と播磨は、縁が深いことに気付いた今日この頃です……

 最近知った事なのですが、安倍晴明はなんと「播磨守」に任ぜらています。
 何故、播磨守だったかというと、

「正に、前回書いた播磨陰陽師集団の強力な霊力を押さえられるのは、安倍晴明しかいないだろう」という発想かららしいです… なぁるほどなぁ…

 さらに、兵庫県佐用町には、道満の墓と一緒に、清明の墓もあるんですよ。(道満を追って来た清明がこの地で死んだとか… ちなみに岡山にも道満と清明の墓はありますよ)そんな事を思うと、昔から、安倍晴明と芦屋道満とはセットで考えるべきものではないかと… ドーマンセーマンとかもそうですよね!
 救いを求める民衆にとって、清明が善玉、道満が悪玉なんての認識は全くなくて、どちらも超常的な力を持つ、神様に近い存在として崇められていたわけです。

 そう考えると、前回の記事のように正岸寺が道満なら、近くに(若干離れてますが…笑)清明を置くのも、人情かと…笑。

 まぁっ、結局、セイメンさんかセイメイさんか、決定的な根拠は解りませんが、現在の私の気分では、「セイメイさん」に若干の軍配をあげそうです。笑。


セイメイさん_2
 で、この「セイメイさん」。ネットや本では「気味が悪い」なんてヒドい書かれようをしていることがありますが、これは絶対、気味の悪い造形ではありません!!! それをちゃんとここで弁護します!

 この造形はどう見ても、素人さんの彫りなのですが、石工にはできない、彫刻の技なんか度外視した、感情だけが先走った、スバラシイ造形なのです!
 作者のどうにもならない問題に対し、「地蔵菩薩をマズ創って、なんとかしよう!!!」という、ハート(動機)が無心で、ものすごく伝わる造形なのです!! 繰り返しますが、その動機は「技なんてどーだっていいんですよ!」 その切羽詰まった感がこの石仏からはヒシヒシと伝わるので、私は心を打たれ、スバラシイ造形だと思うのです!! 
 (この感情の出し方は円空さんなんかよりもストレートです。 五百羅漢さんなんかとも比べてください。その造形は無心で真剣過ぎるあまり、微塵の遊び心すらありません。でも、これでもちゃんと笑ってるんですからぁ。笑)

 この石仏には、臨済の以下の言葉が似合います。

●『赤肉団上に一無位の真人あり。常に汝等諸人の面門より出入す。未だ証拠せざらん者は看よ、看よ。』

 「赤肉団上」とは肉体のこと。「無位の真人」の説明に関しては、ネット上にあまりお勧めできるサイトはございません。
 私が思うに、「無位の真人」とは、位も概念も、時間軸や世代、肉体さえもとっぱらった人間の連綿と続く、純粋無垢な魂そのものと捉えています。

 ちなみに、この無位の真人の重要さを、訴えていておられたのは李登輝さんです。撮影もさせていただきました。

 政治のお話をされるのかと思っていたら、まったく宗教の話に終始されたので、非常に驚くと共に、尊敬しました。 結局、人を救うのは政治ではなく、宗教だということを、よく知っている御方です。

 ご自身はクリスチャンでありながら、仏教や禅にも造詣が深いところ、とても共感できます。さすが京大出ですね。
 間違いなく、私が撮影した人物の中で、トップの偉人です。 

 李登輝さんについては、過去にこんな記事あんな記事も書いています。


 ちょっと、「セイメイさん」から横道にそれましたが、このセイメイさんを見て、不気味とか気持ち恐いとか思う人は、ちゃんと自分の中の無位の真人に向き合っていないからかもしれませんよ…。本当の真人は遊び心すらなく、そのあまりに直球な姿勢にたじろぐのかも…?
『未だ証拠せざらん者は看よ、看よ。』です。

 私はこの造形を、飾らない真人ムキダシの、稀に見るスバラシイ彫刻だと思っています!!!
(超純粋なアウトサーダー・アートです!

 『Talking with 地蔵』のもと、本当にキモイ仏は、私は撮影しませんので…。
 ちなみに、セイメイさんの左目のカケは、掘り出された時のツルハシの跡ネ。

セイメイさん_3
セイメイさん_4
 まぁ、薄暗く、このちょっと不気味な壊れかけの手作りの地蔵堂ですから、恐いって感じも解るんですけどね…苦笑…。 でもこのハンドメイドの地蔵堂をおそらく一人でレンガを積んで建てた人の気持ちもすごく解ります!
 見た目じゃなくて、読経のように黙々と創るハートです。
 道路面とは、入り口が反対に付けられているので、ただのボロ小屋として、通り過ぎてしまい見付けづらいのですが、訪ねる時は、その点に注意して見付けて下さいネ!

 セイメイさんの隣には、おそらく石棺材か古墳石材と思われる、写真のような板状の石も祀ってあります。 たぶんこれも石棺そのものに、霊力があるという信仰の現れでしょう…。
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写真集
笑とる仏
『笑とる仏ー播磨の石棺仏を中心にー』   谷村新司さん推薦!    播磨の珍しい石棺仏を中心に、素朴な笑顔の石仏の写真集。700年近くもやさしく微笑み続けている石仏達を、さまざまな仏教名言と共に紹介する。この深い笑みはきっと心に響くと思います。巻末には地図もありますので、実際、仏様に会いに行くこともできます。勿論、関西限定書ではなく全国に通じる心の本です。 実質、私の4冊目の写真集。(読み:ワロトルホトケ)
Talking with Angels-ロンドンの天使達
「Talking with Angels-ロンドンの天使達-」 
鏡リュウジ氏の推薦文より
『天使、天使、天使!
この世界は、耳をすませれば天使の羽音に満ち満ちていて、うるさいくらい。たとえ一人でいたって、僕たちは孤独になんかなれっこないのです。この写真集はそのことを伝えてくれます。』 
 

Talking with Angels-イタリアの天使達
「Talking with Angels-イタリアの天使達」
   イタリア19世紀のみごとな墓地彫刻の写真集。
ダンテの『神曲』にならい「地獄」「煉獄」「天国」を彫刻を介し視覚で巡ることができる、美しい天使の本。
プロフィール

岩谷薫

Author:岩谷薫
カメラマン
1995 個展『身体感覚』
1998 個展『Angels of Brompton-祈りのすがた』
2005 写真集『Talking with Angelsーロンドンの天使達ー』
2006 写真集『Talking with Angelsーイタリアの天使達ー』
2008年 スピリチュアル雑誌『Sundari 』記事執筆
『yaso ヴィクトリアン』studio parabolica記事執筆
2009 デジタル印刷すらできない悪質出版社に捕まり、三冊目の天使の写真集が出版不能に。入校データまで全て完成している状態ですので、もし第三集の出版を御検討していただける出版社がございましたら、メールフォームからお気軽にメールしてみてください。第三集は最高傑作なのですが…。
2011 写真集『笑とる仏』実質、4作目の写真集。

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