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『笑とる仏』──写真集ができました。

11_2_22_1 私の実質、4冊目の写真集が完成しました。全国の書店に並ぶのは3月4日頃だそうです。(先行発売があるようですので、まず早めに記事書きました。私の写真集のコンセプトは常に、言語を超えた、写真集というよりは心の本ですから、この本は人文、宗教の本棚にも置いてもらえるそうで、うれしいです。)
 3冊目の写真集はちょうど2年前、悪質な出版社に潰されてしまった幻の天使の写真集です。あれを思うと言葉にできないくらいくやしい…。いろいろ営業もしましたが、評価は非常に高いにもかかわらず、悪い出版社の悪いイメージが付いてしまったのと、ただでさえ出版不況の中、純粋な写真集なんてどこともなかなか作ってもらえないので、イバラの道どころか、道すらありませんでした。たとえ道があっても鬼や夜叉みたいなやつも多く……昔から重々知っていることですが…。

 この写真集は、イタリアの写真集が出版された頃に、実は3冊目の作品と平行して4冊目の作品として撮影しはじめていました。ですので気付けば5年越しくらいの作品です。
 3冊目の写真集の復活営業に行き詰まった時、「ひょっとして、4冊目を先に出版した方が早いのかも?」と思い、2年前に原稿として仕上げて営業してみました。
 いつもの事ですが、写真の評価はすこぶるいいんです。でも出版不況でどこの出版社も出版したがりません。そんな中、もう万策尽きたな…と思いはじめた頃に、西日本出版社さんが、私の企画に賛同してくれました。捨てる神あれば拾う神ありでしょうか…。たしか仏国国師っていうお坊さんは、「弓が折れ、矢が無くなっても射続けろ」という意味の、名句を残していますが、そんな心境でした。
 この不景気な時に、経費の高い写真集を創ってくれること自体がかなり異例なのに、オールカラーで200ページもの上製本の写真集を創ってくれるなんて、異例中の異例で、モノスゴイことです! いや~本当にこの御英断に感謝です…。

 題名は写真で御覧の通り、『笑とる仏ー播磨の石棺仏を中心にー』です。撮っているのは、播磨の笑とる石仏達です。
 石棺仏とは、古墳時代の石棺の蓋などに、後世の鎌倉や室町時代の民衆が阿弥陀様や地蔵様を彫ってお祀りした、珍しい石仏のことで、全国でも主に、播磨の地にしかなく、地元の人ですら、あまり知られていない非常に貴重な石仏のことなんです。(ちなみに兵庫県は古墳の数、日本一なんですよ)
 その仏達が、とってもナイスなスマイルで、700~500年間近く笑っているので、とんでもなく心打たれてしまいました。
 この記事の初めに書いたこともそうですが、世の中、理不尽なこと、不条理なこと、悪い人間にも、生きていれば当然出会いますよね……でも、この700年も笑っている笑顔には到底かなわない思いでした。

11_2_22_2
 この笑顔には私自身、とても教えられるものがありました。辛いことがあった時など、この深い笑顔に接すると、まだまだ小さい小さいと思うのです…。もちろん、幸せな時は、普通に笑えるおかしな仏さまもいます。笑。(裏カバーの仏さま、スゲー笑ってるでしょ!笑)
 天使ほどの派手さは無く、もしかして本屋さんでパラパラと見ちゃうと、地味な本と思われるかもしれませんが、ここは、一旦その手と目を止めて、長年の摩滅で消え入りそうな仏の表情をジーッと探してみてください。すると、まるでしみだすように非常に奥深いスマイルが見えてきますから。こうなればもう「Talking with 地蔵」です!笑。
 もちろん、関西限定の意味で創った本じゃないですよ。これはどこの地でも、誰にでも通じる心の本として私は創りました。

 この写真集には、なんと音楽家の谷村新司さんが、帯を書いて推薦してくれています!!!!
 谷村さんの推薦文御紹介しますね。


『石に仏を彫ることは、イシにカタチを与えること。
その思いは自然に抱かれてこそ、活きて 笑う。
イシのカタチはココロで見つめる人に大切なことを そっと
語りかけてくる。』


 「石」と「意志」が掛かっています。正に「意志のかたち」なんです。私が求めているのは、「美しい意志のかたち」です。さすが、本質を突いたスバラシイ文章で、谷村新司様、本当に!ありがとうございます…。やはり一流の方々は、説明しなくても解っていただけます。
 そういえば幻の3冊目の写真集も、超一流の小説家さんが、推薦文を書いてくれるハズでしたが、残念 至極です……。
 私自身、作品はとてつもなく本気で創っているので、その真意は一冊目の鏡リュウジ様をはじめ、第一線の方々からは(推薦文と関係のない著名な方々からも)非常に受けはいいんです、だったら天使の本ももう少しメジャーになれたらいいのですが…ならないのが世の中ですね。こんなすごい作品が瀕死状態にあるなんて、作者自身、もったいないと思います…。


 去年の5月に出版は決まりましたが、2年前の強烈なトラウマからこのブログで「出版日記」「制作日記」は一切書きませんでした。今、振り返っても、やはり書かなくて良かったとつくづく思います…。
 コマーシャルという意味では、ブログに出版日記を書くことは非常に良いことですが、写真集を創るという事は、慣れたプロの方でも知らないくらい、ものすごい根気と忍耐の連続ですから、どうしても誤解や間違いが起こることがあります。
 実際、この本は去年の10月出版のはずでしたが、できませんでした。あの時ほどブログを書かなくて良かったと思ったことはありません。実作業はそれほど大変なものなのです。そうした時に西日本出版社さんは、ちゃんと「人の意見を聞く耳と人徳」をお持ちでしたので、この危機をのりきることができました。ここが3作目の時と決定的な違いです。
 こうした信仰にからんだ精神性の高い作品は、スタッフの人徳までも問われるような仕事へと自然になりますので、みなさんの人徳の支えで完成できたことを、本当にうれしく思います。
 ほぼ10ヶ月。長かったぁ~…。私自身、200ページもの情報量の多い写真集は、未体験ゾーンだったので、覚悟していた以上に大変で御迷惑もいっぱいおかけし、過去の作品創りでも、なんども苦い経験をしているがゆえに心配事が絶えず、完成品がこの手に届くまでは正直、毎日が綱渡り状態で恐怖とストレスの連続ばかりでしたが、一つのきれいな結晶として磨き残り、創った甲斐がありました…。
 ブログでは、新たな石仏ブログを立ち上げる気合いはございませんので、天使と石仏を同居させますね。笑。
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イタリアの信仰心

11_2_11_1 イタリアの信仰心は、おおむね厚いです。
 特に南へ行くほど、厚い印象があります。しかし南へ行くほど、天使の数はなぜか減っていく傾向にあるようです。
 ナポリに行った時には、レリーフ状の小さな天使は居ますが自立型の大きな天使像は、墓地にはほとんど居なかった記憶があります。
 そのかわり、ナポリの19世紀頃のお金持ちのお墓はすごく変わっていて、墓地の中に2階建てくらいの外見上、まったく普通の家が建ってるんです。窓ガラスも付いています。正に死者の終の住処。家族の参拝者は、まるで普通の家のように、玄関の前に車を横付けして、カギをあけて、死者の家に入っていく光景をみました。
 そんな死者の家が、結構沢山あるので、その辺一帯は正に、死者の街。
 これは珍しい!と思い、カメラを構えたら、隣に居たお爺さんが、トントンと肩をたたいて、「撮るな!」との意思表示…。イタリア語はさっぱり解らないけど、お爺さんの目の奥は、軽ーく怒っている感じがしたので、結局、撮らず終いになってしまいました…。11_2_11_2
郷に入れば郷に従えですし、死というテーマは各国、微妙な心の問題ですからね…、きっと信心の厚いお爺さんだったのでしょう。でも今、思うとあれは撮っておけば良かったナー……と、思い出す度、後悔することがあります。笑。(今まで撮影拒否されたのは、この経験だけです)
 墓研究をしている訳ではありませんが、文化人類学上も、興味深い資料だったと思うのですが…。

 なので、ナポリの写真はないので、今日はジェノヴァ、スタリエーノ墓地の玄関口の写真。1枚目は、玄関口を守る女神像。頭から17本近くの尖った後光がさしていて、ちょっとアメリカの自由の女神を思わせさます。11_2_11_3左手には砂時計の柄のある本を持っています。砂時計で限りある人生の時間を象徴しているわけです。おそらく全長10m以上はあるでしょう。
 2枚目は、女神像の後ろにそびえる巨大なエントランス。いやがおうにも、死への荘厳さをかきたてる仕組みになっています。
 3枚目は、エントランスの階段を上がって、女神の背中をのぞむ風景。この墓地はかなり豪華で、かつ広大です。日曜日ともなると、女神の周りには大勢の参拝者が集まります。ロンドンでは、日曜日に墓地でこんなに人々が集まる光景を目にしたことはありませんでした。そんな光景からも信心の厚さを感じました。
 スタリエーノ墓地は、おそらくヨーロッパ中でもっとも彫刻の技、量とも最高レベルの墓地だと思います。そこには、天国や地獄をも表現した、天使や髑髏などの彫刻が劇場的におびただしく並べられています。あたかも人生は劇場であると言わんばかりに。昨年の11月に『スピリットランド』の記事を書きましたが、今、思うと、あれに書かれている死後の旅のような体験ができる地上での希有な場所だと思います。




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写真集
笑とる仏
『笑とる仏ー播磨の石棺仏を中心にー』   谷村新司さん推薦!    播磨の珍しい石棺仏を中心に、素朴な笑顔の石仏の写真集。700年近くもやさしく微笑み続けている石仏達を、さまざまな仏教名言と共に紹介する。この深い笑みはきっと心に響くと思います。巻末には地図もありますので、実際、仏様に会いに行くこともできます。勿論、関西限定書ではなく全国に通じる心の本です。 実質、私の4冊目の写真集。(読み:ワロトルホトケ)
Talking with Angels-ロンドンの天使達
「Talking with Angels-ロンドンの天使達-」 
鏡リュウジ氏の推薦文より
『天使、天使、天使!
この世界は、耳をすませれば天使の羽音に満ち満ちていて、うるさいくらい。たとえ一人でいたって、僕たちは孤独になんかなれっこないのです。この写真集はそのことを伝えてくれます。』 
 

Talking with Angels-イタリアの天使達
「Talking with Angels-イタリアの天使達」
   イタリア19世紀のみごとな墓地彫刻の写真集。
ダンテの『神曲』にならい「地獄」「煉獄」「天国」を彫刻を介し視覚で巡ることができる、美しい天使の本。
プロフィール

岩谷薫

Author:岩谷薫
カメラマン
1995 個展『身体感覚』
1998 個展『Angels of Brompton-祈りのすがた』
2005 写真集『Talking with Angelsーロンドンの天使達ー』
2006 写真集『Talking with Angelsーイタリアの天使達ー』
2008年 スピリチュアル雑誌『Sundari 』記事執筆
『yaso ヴィクトリアン』studio parabolica記事執筆
2009 デジタル印刷すらできない悪質出版社に捕まり、三冊目の天使の写真集が出版不能に。入校データまで全て完成している状態ですので、もし第三集の出版を御検討していただける出版社がございましたら、メールフォームからお気軽にメールしてみてください。第三集は最高傑作なのですが…。
2011 写真集『笑とる仏』実質、4作目の写真集。

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